ネズミ対策マニュアル

ネズミに「殺虫剤」は効果あるの?ネズミ対策における殺虫剤の有効性

「家の中にネズミがいる…殺虫剤で駆除できるかな?」

「天井裏の害虫も一緒に駆除できるから便利かも?」

多くのご家庭で常備しているであろう「殺虫剤」で、ネズミ対策もできるのであればとても便利ですね。

そこで、この記事ではネズミの生態に詳しい元駆除業者が、ネズミ対策における殺虫剤の有効性について解説したいと思います。

この記事を読んでいただければ、ネズミ対策についての殺虫剤の有効性の是非、およびその理由を明確に理解できるはずです。

家の中のネズミに迷惑している人で、殺虫剤を使おうかどうか迷っている人は、この記事の内容を参考にしてください。

ネズミに殺虫剤は効かない!

結論から申し上げますと、ネズミには殺虫剤はほとんど何の効果も及ぼしません。

周辺の害虫は駆除できるでしょうが、本命のネズミはおそらくピンピンしているでしょう。

殺虫剤の成分

殺虫剤に使用されている主な成分は以下のとおりです。

殺虫成分 特徴
ピレスロイド系 ・即効性の高い殺虫成分
・温血動物に対する毒性が低く、生体内での分解や排泄が極めて速い
・残留や生物濃縮など二次的環境汚染のリスクが少ない
有機リン系 ・ピレスロイド系殺虫剤と比較して殺虫力が強い
・魚毒性が低い
・やや遅効性で、残効性がある
カーバメート系 ・農薬で数多く使用されている
・防疫用で使用されている成分の種類は限定的
ネオニコチノイド系 ・タバコに含まれるニコチンと似た構造
・人やペットへの安全性が高い
・忌避性がない

成分の多くが「人やペットに対する安全性が高い」という特徴を有しています。

殺虫成分の毒性

もちろん、過剰に摂取すれば人体やペットに何らかの悪影響が及ぶ可能性はありますが、殺虫成分が「昆虫」と「昆虫ではない生き物」に対して及ぼす毒性は大きく異なります。

それを示す、ある研究データがあります。

殺虫成分 昆虫への毒性 ラットへの毒性
カーバメート系 2.8mg/kg 45mg/kg
有機リン系 2.0mg/kg 67mg/kg
有機塩素系 2.6mg/kg 230mg/kg
ピレスロイド系 0.45mg/kg 2000mg/kg

出典:Michael L. Elliott, “Synthetic Pyrethroids,” ACS Symposium Series; American Chemical Society: Washington, DC, 1977.

上記のデータは、対象の生物に対して「体重1㎏あたり、どれだけ殺虫成分を摂取すると毒性が表れるのか?」を表で表したものです。

例えば「ピレスロイド系」の場合であれば、昆虫が体重1㎏あたり0.45㎎摂取するだけで毒性が表れたのに対して、ラットの場合であれば2000㎎まで耐えられるという結果になっています。

昆虫と哺乳類では体の大きさも大きく異なりますから、昆虫にとっての致死量も、昆虫以外の生き物にとってはそれほど大きな効果を及ぼさないのです。

そもそも昆虫以外の生き物、それこそ哺乳類に対しても高い毒性を発揮するような代物を、おいそれとスーパーマーケットやドラッグストア、ホームセンターで何の許可も得ていない素人が購入できるわけがないのです。

つまり市販の殺虫剤の毒性は、ネズミに対しても大きな毒性を発揮するようなことはないのです。

仮に、ネズミにとっても致死量となるほどの殺虫剤を使用したとすれば、使用者や同居する住人、ペットにも何らかの悪影響が及んでしまうでしょう。

つまり、殺虫剤でネズミを駆除することは全くもって現実的ではないということになります。

殺虫剤による恩恵

このままでは殺虫剤の名誉を傷つけてしまいそうですので、ちょっと話は逸れますが「殺虫剤を使用することのメリット」について少しお話ししておきましょう。

実は、ネズミ被害に悩んでいる人が殺虫剤を使用することは、全くの無意味というわけでもないのです。

ご存知の通り、殺虫剤は昆虫を殺すことに特化しています。

ネズミ被害に悩んでいる人のご自宅には、実はネズミ以外にも「ダニ」が数多く生息している可能性があるのです。

ダニの中にはネズミに寄生している種類もあり、これがネズミから住人やペットに寄生先を変える可能性があります。

皮膚症状などを訴えるようになったら、ひょっとしたらネズミが連れてきたダニによるものかもしれません。

殺虫剤はダニを含む害虫を駆除することに特化していますので、ネズミは駆除できないとしても、ネズミが連れてきたダニは駆除できる可能性が高いのです。

なので、ネズミを何とかした後にダニ対策として殺虫剤を使用することは間違っていません。

とはいえ、まずは本命であるネズミを何とかしないといけませんので、ひとまず「殺虫剤ではネズミを駆除できない」ことをご理解ください。

ネズミ駆除専門家の一言アドバイス

殺虫剤ではネズミを駆除することはできません。

殺虫剤でネズミがいなくなったという話はウソなのか?

しかしながら、ネット上では「殺虫剤でネズミがいなくなった」という話もないわけではありません。

ですが、前述の通り殺虫剤の成分はネズミを含む哺乳類に対してはそれほど大きな効果を発揮しません。

では、なぜ殺虫剤を使用したことでネズミ対策に成功したという意見がみられるのでしょうか?

スプレーや臭いに驚いて逃げ出した可能性が高い

おそらくですが、これは殺虫成分によりネズミを駆除しているのではなく、単純に「驚いて逃げ出した」という可能性が考えられます。

ネズミは警戒心が強い生き物であり、特に日本において被害が多くみられる「クマネズミ」は強い警戒心を示す生き物です。

殺虫剤の中には強力な噴射力を持つスプレータイプの商品が多く、その噴射に驚いて逃げ出した、あるいはどこかに避難している可能性が考えられます。

また、殺虫剤の中には臭いの強いタイプの商品もあり、嗅覚に優れるネズミがその臭いに刺激を感じて避難している可能性も考えられるのです。

駆除できているわけではない

とはいえ、これは殺虫剤の特性が偶然ネズミの警戒心を刺激しているだけに過ぎず、根本的に「駆除できている」というわけではありません。

前述の通り、殺虫剤の毒性はネズミに対してそれほど劇的な作用を示すわけではありません。

仮に、ネズミに毒性が及ぶほどの使い方をすれば、最低でも使用者にも何らかの悪影響が及ぶでしょうし、住人やペット、周辺住民にも迷惑をかけることになるでしょう。

ネズミは戻ってくる可能性が高い

殺虫剤による刺激でネズミが姿を消したとしても、再びネズミ被害に悩む可能性は高いです。

  • 殺虫剤ではネズミは死なない
  • 家の中のどこかに一時的に非難している可能性がある
  • 一度、外に出たとしても、戻ってくる可能性がある

殺虫剤ではネズミは死にませんから、仮に殺虫剤を使ってネズミの気配が消えたとすれば「家の中のどこかに隠れている」か「一時的に家の外に避難している」のどちらかだと考えられます。

基本的にスプレータイプや燻煙タイプの殺虫剤の効果は即効性が高い反面、持続性がないので、その効果はすぐに切れてしまいます。

殺虫剤の影響がなくなれば、ネズミは再び行動を開始する可能性が高いのです。

殺虫剤はあくまでも「害虫を駆除するため」に使用すべき

そもそも「殺虫剤」という名前なのですから、殺虫剤は害虫を駆除するためだけに使用すべきです。

ネズミ対策できないからといってメーカーに文句を言えませんし、使いすぎることでどんな悪影響が及ぶかわかりません。

それなら、ネズミに対して作用することに特化したグッズを使用する方が建設的です。

ネズミ駆除専門家の一言アドバイス

殺虫剤で一時的にネズミが姿を消しても、戻ってきてネズミ被害が再発する可能性が高いです。

殺虫剤よりも有効なネズミ対策とは?

殺虫剤は「害虫を駆除する」ことに特化していますが、同じように「ネズミ対策に特化したグッズ」も存在します。

  • 忌避剤
  • 超音波
  • 捕獲用グッズ
  • 殺鼠剤

忌避剤

「忌避剤」とは、対象となる生き物が苦手とする成分を利用した対策グッズであり、忌避剤を使用した空間から害獣や害虫を追い出すことができます。

その形状から大きく分けると3つのタイプがあります。

種類 使用方法 特徴
スプレータイプ スプレーを噴射する ・即効性が高い
・持続性に難あり
・引火性がある
燻煙タイプ 設置して煙を充満させる ・空間の隅々まで行きわたる
・ネズミの場所がわからない場合におすすめ
・家具や電子機器、ペットへの影響を考慮する必要がある
設置タイプ 開封して設置する ・持続効果が高い
・家具やペットへの影響は最も少ない
・手の届く範囲にしか設置できない

超音波

「超音波」は、人間には聞き取ることができない高い波長の音のことであり、可聴域(聞き取ることができる周波数の幅)が人間よりも高いネズミに聞こえる95~130db相当の音を聞かせることでネズミを追い出すことができます。

アプリや動画で超音波を発生させることもできますが、できれば市販の「超音波発生装置」を購入し、使用することをおすすめします。

基本的に人間には聞き取ることができないので住人には影響しないのですが、人間よりも高い周波数の音を聞き取ることができるペット、特にネズミの仲間であるハムスターやウサギを飼っている場合には何らかの影響が及ぶ可能性があります。

ネズミを追い出す方法のメリットとデメリット

忌避剤と超音波は「ネズミを追い出す方法」となりますが、ネズミを追い出す方法にはメリットもありますが、デメリットもある点には注意が必要です。

  • ネズミの死骸を処分しなくて済む
  • ネズミは忌避効果に慣れる可能性があり、戻って来る可能性がある

残りの2つのグッズは基本的に「ネズミを殺す方法」となります。

捕獲用グッズ

「捕獲用グッズ」は文字通り、家の中のネズミを捕獲するためのグッズです。

主な種類は以下の3種類です。

かご式罠 バネ式罠 粘着シート
仕組み エサで誘引して捕獲 エサで誘引して捕獲 粘着面で捕獲
メリット 繰り返し使用可能
設置の際にケガしにくい
繰り返し使用可能
比較的安価
簡単に使用できる
比較的安価
死骸処理が簡単
デメリット 3種類の中では高額
なかなか捕まえられない
死骸処理が面倒
ケガする可能性がある
なかなか捕まえられない
死骸処理が面倒
再利用できない
手にくっつく
数を揃える必要がある

ネズミは警戒心が強いので、設置してから数日でかかることは珍しいです。

設置から数週間は様子を見ることをおすすめしますが、1か月以上何の成果もなかった場合には設置場所や設置方法に何らかの問題がある可能性も考えられます。

殺鼠剤

「殺鼠剤」は殺虫剤と異なり「ネズミを殺すための薬剤」であり、基本的に何らかのエサに混ぜて「毒エサ」を作り、これをネズミに食べさせることでネズミを死に至らしめるグッズです。

捕獲罠と同じく、ネズミは警戒心が強いのでなかなか食べてくれませんが、いくつか工夫する余地もあります。

  • ネズミの好物を特定して、それを材料に毒エサを作る
  • 最初は殺鼠剤を混ぜずに食べさせて警戒心を解いてから、毒エサを食べさせる
  • ネズミが好む調味料(ごま油やソースなど)を混ぜる

ネズミを殺す方法のメリットとデメリット

捕獲罠や殺鼠剤は「ネズミを殺す方法」であり(捕獲罠は生け捕りが基本ですが、捕獲後に時間が経過するとネズミは死ぬ)、この方法にもメリットとデメリットがあります。

  • 殺した(捕獲した)ネズミを処分すれば、その個体による被害は再発しない
  • ネズミの死骸(または生きたネズミ)を処分しなければならない

身近なものでネズミ対策

これらのグッズ以外にも、「身近にある物」でネズミ対策することも不可能ではありません。

  • ハーブ類
  • トウガラシ
  • ワサビ
  • 天敵(ネコなど)の臭いや鳴き声
  • 赤い回転灯
  • 正露丸

ネズミに対して多少なり忌避効果があるため、ネズミを追い出すことができるかもしれませんが、確実性に乏しく、加えてネズミがこれらに慣れてしまう可能性もありますので、本格的なネズミ対策までの応急措置として利用することをおすすめします。

ネズミ駆除専門家の一言アドバイス

殺虫剤に頼らなくても、ネズミ対策のためのグッズは数多く流通しています。

究極のネズミ対策は「駆除業者に依頼する」こと!

殺虫剤を使わなくてもネズミ対策に使えるグッズは数多く販売されており、ホームセンターやネット通販などで手軽に購入できます。

しかしながら、確実にネズミ被害を解消するためには、ネズミの習性を把握し、それに則った方法でネズミに対してアクションを起こす必要があります。

また、ネズミ本体だけでなく、ネズミがもたらす物(糞尿や巣、ダニなど)が残っていれば、それが経済的被害や健康被害をもたらす可能性があるのです。

ネズミに対して本格的に対処しようと思うのであれば、「害獣駆除業者にネズミ駆除を依頼する」ことが最も確実な方法となります。

  • 業者はネズミ駆除のプロである
  • 作業に手間をかけずに済む
  • ネズミ駆除に付随する作業もこなしてくれる

業者はネズミ駆除のプロである

害獣駆除業者は基本的に「ネズミ駆除のプロ」であり、ネズミの習性を把握してそれに則った方法でネズミを駆除することが可能です。

ネズミは、その習性や行動パターンを把握したうえで対処しないと、いくら優秀な道具を使用しても駆除できない可能性が高くなります。

駆除業者は今までの駆除実績で培ってきたノウハウを駆使して、その現場に合った最善の方法で作業してくれますので、ネズミを完全に駆除しきることが可能なのです。

作業に手間をかけずに済む

ネズミ駆除は、その前段階の「ネズミ被害の調査」と、駆除後の段階の「清掃と消毒」「進入経路の封鎖」も含めると、かなりの手間と時間を費やすことになります。

駆除業者に依頼すれば、本来であれば何時間・何日もかかる作業をすべて任せることができますので、仕事や家事で忙しい人でもネズミ被害を解消することができます。

もちろん、その分だけ人件費もかかりますが、かかる手間と完全駆除ができるという特性を考えれば、決して高すぎる出費にはならないのではないでしょうか。

ネズミ駆除に付随する作業もこなしてくれる

前述の通り、害獣駆除業者の多くは駆除後の作業である「清掃と消毒」および「進入経路の封鎖」までこなしてくれます。

  • 清掃と消毒をしない:病原菌やダニ被害が残る
  • 侵入経理を封鎖しない:ネズミが再度侵入し、ネズミ被害が再発する

このように、駆除作業だけでなく、その後に付随するこれらの作業をこなしてはじめてネズミ被害は解消されます。

多くの害獣駆除業者はこれらの作業も駆除作業の一環としてこなしてくれますので、手間をかけずにネズミ被害を完全になくしたい人にとってメリットが大きいです。

ネズミ駆除専門家の一言アドバイス

業者に依頼すればさまざまなメリットがあります。

まとめ

殺虫剤は害虫駆除に使うグッズですから、これでネズミ対策ができないことは明白です。

一時的に追い出せたとしても、また戻ってきていたちごっこになってしまうでしょうから、ネズミ被害に悩んでいる人は本格的なネズミ対策を実施することをおすすめします。

忌避剤や捕獲用グッズなどを利用するのも良いのですが、確実にネズミ被害を解消するためには害獣駆除業者に駆除を依頼することが一番です。

ネズミを駆除してくれるだけでなく、駆除後の清掃や消毒、侵入経路の封鎖まで、ネズミ被害の解消と再発防止を手間をかけずに実現してくれます。

ネズミを放置すれば、さまざまな被害をもたらしますから、ネズミの存在に悩まされている人は早めに業者に相談し、駆除してもらうことをおすすめします。

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  • できれば近所の地元の業者にお願いしたい
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※上記は目安の料金です。詳細な見積書は現地調査の上でご提示させていただきます。

対応エリア
北海道、宮城県、茨城県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県、長野県、静岡県、愛知県、岐阜県、三重県、大阪府、兵庫県、広島県、福岡県

※一部地域では繁忙状況により対応できないことがございます。詳しくは、下記コールセンターまでお問い合わせください。

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