ネズミ駆除する方法はさまざまですが、よく使われる方法の1つに「殺鼠剤(毒エサ)」という方法があります。
しかし、一口に殺鼠剤と言っても種類があり、使い方次第でその効果の現れ方は大きく異なります。
そこで、ネズミ駆除における殺鼠剤の選び方や使い方について解説します。
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殺鼠剤とは?

「殺鼠剤」とは、ネズミを駆除するために作られた薬剤のことであり、ネズミにとって命に関わる成分が含まれています。
通常は、これを「毒エサ」という形でネズミに食べさせて、致死量を摂取させることによってネズミを死に至らしめます。
古典的なネズミ駆除グッズの1つですが、その効果は極めて高く、数を揃えて根気よく食べさせ続けることで多くのネズミを駆除することができます。
ただし、殺鼠剤は人体やペットにも悪影響を及ぼすため、赤ちゃんやペットが口にしないように注意するなどの工夫が必要になります。
殺鼠剤以外のネズミ駆除グッズ①「捕獲罠」
ネズミ駆除する方法は、殺鼠剤の他にもいくつか存在します。
1つ目は「捕獲罠」です。
捕獲罠にはいくつかのタイプがあり、それぞれメリット・デメリットが異なります。
- 粘着シート
- バネ式罠
- かご式罠
- 自作のネズミ捕り
粘着シートのメリット・デメリットは以下のとおりです。
- 単価が安い
- 扱いやすく、ケガのリスクが少ない
- ネズミに触れずに処分できる(折り畳み式)
- 使い捨てである
バネ式罠のメリット・デメリットは以下のとおりです。
- 安いものだと1個あたり500~600円で購入できる
- エサを再設置すれば繰り返し使える
- 誤って手を挟んでしまう可能性がある
- ネズミの処分が面倒
かご式罠のメリット・デメリットは以下のとおりです。
- ネズミを生け捕りにできる
- エサを再設置すれば繰り返し使える
- 罠が大型であり、設置スペースの確保が必要
- ネズミの処分が面倒
自作のネズミ捕りのメリット・デメリットは以下のとおりです。
- 材料費が安い
- 耐久性に問題がある
- 工作の手間がかかる
- ネズミの処分が面倒
殺鼠剤以外のネズミ駆除グッズ②「忌避剤・忌避装置」
2つ目は「忌避剤」や「忌避装置」です。
これはネズミの嫌がる成分を含んだスプレーや燻煙、ネズミの嫌がる超音波などを発生させる装置等を用いることによって、ネズミを建物の外に追い出す駆除方法となります。
そのメリット・デメリットは以下のとおりです。
- ネズミの死骸を処分しなくて済む
- 電気を使う忌避装置の場合、電源が有効な限り使い続けられる
- 物によってはコストがかかる
- しばらく使うとネズミが慣れてしまう可能性がある
殺鼠剤以外のネズミ駆除グッズ③「防鼠金網・パテ」
3つ目は「防鼠金網」や「防鼠パテ」です。
これは駆除するためのグッズというよりも、厳密にはネズミを駆除した後にネズミの再侵入を防止するために用いるグッズです。
ネズミは建物に存在するさまざまな隙間から建物内に侵入しますが、その侵入経路を塞ぐために金網やパテを使用します。
そのメリット・デメリットは以下のとおりです。
- ネズミ被害の再発を防ぐことができる
- 侵入経路の形状に応じたグッズを選ぶことができる
- 建物内のネズミが逃げる出口も塞ぐことになる(きちんと駆除してからでないと逆効果)
- すべての侵入経路を素人が塞ぎきることは難しい
殺鼠剤はネズミに食べさせて殺すことで駆除するグッズです。
殺鼠剤の種類

一口に殺鼠剤と言っても種類があり、それぞれの成分ごとにどのような原理でネズミを死に至らしめるかのメカニズムが異なります。
一般的な殺鼠剤に使用されている成分は以下のとおりです。
成分名 | 主な効果 |
---|---|
クマリン系 (ワルファリンなど) |
・抗凝固作用による出血 |
リン化亜鉛 | ・体内でリン化水素ガスを発生させ、呼吸困難を引き起こす ・即効性が高い |
シリロシド | ・呼吸困難を引き起こす |
α-ナフチルチオウレア | ・呼吸困難を引き起こす ・ドブネズミに効果的 ・生き残ると耐性を獲得する |
ノルボルマイド | ・血管が停滞し、酸欠状態になる ・致死効果が高い |
クマリン系(ワルファリンなど)
ネズミが摂取すると血液凝固を阻害する効果があります。
これによりネズミは体内で出血を起こし、出血によって死に至ります。
少量ずつを何日も摂取させることによって効果が発揮されるため、根気よく毒エサを与え続ける必要があります。
なお、クマリン系には「ワルファリン」「クマテトラリル」「フマリン」という種類があり、ワルファリンなどが効果が薄くなっている「スーパーラット」と呼ばれる個体が、クマネズミを中心に増加傾向にある点には注意が必要です。
連続して摂取しなければ毒性は低いのですが、小さな子供や妊娠中の女性、ペットが食べると健康上の被害が出る可能性があり、その場合は速やかに医療機関を受診する必要があります。
リン化亜鉛
殺虫剤の成分としても使用実績のある無機化合物であり、これを摂取したネズミは体内で胃酸と化合することによってリン化水素ガスを発生させ、呼吸困難を引き起こして死に至らしめます。
即効性の高い成分であり、殺鼠剤の中ではかなり強力な部類になります。
前述のスーパーラットに対しても効果があることが知られています。
殺鼠剤の成分の中では特に強力な毒性を持つものであり、数グラムの接種で大人が死に至るため、特に小さな子供やペットが口にしないように注意しなければなりません。
シリロシド
地中海沿岸に植生するユリ科の植物の根に含まれている成分であり、この成分もネズミが摂取することによって呼吸困難を引き起こして死に至らしめます。
それだけ聞くと人体やペットへの悪影響も懸念されるものですが、人間や多くの動物はこの成分を嘔吐により回避する作用があるため、安全性はそこまで低くないのが特徴です。
なお、ネズミの中にはこの成分を摂取しても生き残る個体がおり、その個体はシリロシドを含んだ毒エサを二度と食べなくなる可能性があります。
α-ナフチルチオウレア
苦みのある灰色の粉末状の物質であり、ネズミがこれを摂取すると呼吸困難を引き起こします。
水に溶けにくい性質があり、ドブネズミに対する殺鼠効果が高いとされています。
また、子供のネズミよりも大人のネズミの方が効き目が高いとされています。
ワルファリン同様に摂取後に生き残った個体は耐性を得てしまい、殺鼠効果が低くなってしまうという点が難点です。
ノルボルマイド
白っぽい色で水に溶けない成分であり、ネズミが摂取すると1時間ほどで血管が停滞して酸欠状態になり、死に至らしめます。
ネズミに対する致死効果が高く、致死量は種類によってかなり異なりますが、特にクマネズミやドブネズミに対する殺鼠効果が高いとされています。
殺鼠剤は成分ごとに特徴やメリットが大きく異なります。
殺鼠剤を使ったネズミ駆除の方法

殺鼠剤を使ったネズミ駆除、言い換えれば「毒エサを使ったネズミ駆除」になりますが、単純にネズミがいそうな場所に毒エサを設置すればそれだけでネズミが確実に食べてくれる(駆除できる)わけではありません。
きちんとした段階を踏んで下地を作ることが、殺鼠剤を使ったネズミ駆除のテクニックとなるのです。
主な手順は以下のとおりです。
- 食べ物を片付ける
- ネズミの餌場などに毒エサをセットする
- しばらく放置する
- 効果が実感できなければエサを工夫する
- さらに効果が実感できなければ毒エサの設置場所を変更する
殺鼠剤の使い方①「食べ物を片付ける」
ネズミは雑食であり種類ごとに好物は異なりますが、基本的に人間の食べ物であれば何でも食べてしまいます。
もし、毒エサでネズミ駆除しようとするのであれば、確実に毒エサにネズミの関心を向ける必要があります。
そのためには、ネズミが食べることができる場所に、ネズミが食べられる物を放置しないことです。
台所やリビングのネズミの行動範囲に食べ物があれば、ネズミの関心はそちらに分散してしまいます。
ネズミの食欲を可能な限り毒エサに集中させるためにも、食べ物をしっかりと片づけることからスタートします。
殺鼠剤の使い方②「ネズミの餌場などに毒エサを設置する」
殺鼠剤入りの毒エサを、建物内のどこに設置してもネズミが食べてくれるわけではありません。
最も有効なのは「ネズミの餌場」に毒エサを設置することです。
ネズミの餌場を探すことは難しいと思われるかもしれませんが、もし過去にネズミに何かを食べられてしまった場合は、そこがネズミにとって餌場であると認識されている可能性が高いです。
その場所から他の食べ物を撤去し、毒エサだけを設置して様子を見ましょう。
殺鼠剤の使い方③「しばらく放置する」
殺鼠剤を使ったネズミ駆除で重要なことは「設置後、しばらく放置する」ことです。
毒エサを設置してから、すぐにネズミがそれを食べてくれるわけではありません。
特に、日本の建物内のネズミ被害で多く見られる「クマネズミ」は警戒心が強く、毒エサを見ても警戒してすぐに食べてくれるわけではないのです。
しばらく放置して様子を伺い、ネズミが警戒心を解いて食べてくれるのを待ちましょう。
殺鼠剤の使い方④「効果が実感できなければエサを工夫する」
しばらく放置してもネズミが毒エサを食べてくれないと実感した場合は、毒エサにちょっとした工夫をしてみることをおすすめします。
例えば、毒エサの上に「過去にネズミに食べられた食べ物を粉末状にしたもの」をふりかけることです。
ネズミの種類 | 好む食べ物 | 性格 |
---|---|---|
クマネズミ | 植物の種子 | 警戒心が強い |
ハツカネズミ | 穀物・野菜 | 好奇心が強い |
ドブネズミ | 肉類・魚類 | 獰猛 |
その他にも油やソースを毒エサの上にかけるといった工夫も有効です。
殺鼠剤の使い方⑤「さらに効果が実感できなければ毒エサの設置場所を変更する」
エサを工夫して様子を見ても食べてくれる様子が無いのであれば、それは毒エサを設置している場所が悪い可能性があります。
さまざまな場所に毒エサを設置することも有効なので、置き場所を考え直してください。
ネズミの種類 | 好む環境 | 行動の特徴 |
---|---|---|
クマネズミ | 乾燥した高所 | 上に登るのが得意 |
ハツカネズミ | 狭い場所 | 綱渡りが得意 |
ドブネズミ | 湿った場所 | 泳ぎが得意 |
簡単にネズミは毒エサを食べてくれませんので、さまざまな工夫が必要です。
殺鼠剤でネズミ駆除するメリット・デメリット

殺鼠剤を使ってネズミ駆除することには、さまざまなメリットとデメリットが存在します。
殺鼠剤を使うメリット
殺鼠剤を使ってネズミ駆除することのメリットは以下のとおりです。
- 比較的安価に数を揃えやすい
- 成分を考慮すれば高い駆除効率を発揮する
- 毒エサが無くなるまで再セットする必要が無い
- 罠の誤作動でケガするリスクが無い
ネズミ駆除は一か所に罠を設置しても駆除しきることは極めて難しいです。
粘着シートや捕獲罠を使用する場合、数を揃えるとなるとそれなりの出費になります。
毒エサは単価が比較的安く、複数個所に設置するためのコストが安上がりになるという点が大きなメリットとなります。
毒エサを食べてくれさえすれば、高い駆除効果を発揮してくれる可能性が高いのも魅力です。
殺鼠剤を使うデメリット
殺鼠剤を使ってネズミ駆除することのデメリットは以下のとおりです。
- ネズミの死骸を片付けなければならない
- ネズミがどこで毒死したか判らない
- ネズミの死骸を片付けられないと建物内の衛生が悪化し、悪臭などの被害が発生する
- 人間やペットが毒エサを誤飲してしまう可能性がある
殺鼠剤のデメリットは大きく分けて2種類あり、1つは「死骸が発生すること」、もう1つは「人間やペットが誤飲することで健康被害が発生すること」です。
殺鼠剤という名称のとおり、毒エサはネズミを死に至らしめることで駆除するグッズです。
最大限その効果が発揮されればネズミは死に、後にはネズミの死骸が残り、死骸が勝手に無くなることはありません。
放置することはできず、片づけなければならないわけですが、面倒なうえに精神的なショックもなかなかのものです。
殺鼠剤のネズミ駆除にはメリットもデメリットもあります、理解して使用しましょう。
殺鼠剤を用意して自作する毒エサの作り方

殺鼠剤を用いたネズミ駆除は大きく分けて「殺鼠剤入りの毒エサを購入する」か「殺鼠剤を購入して毒エサを自作する」かの二択があります。
前者はそのまま使える分、手間がかかりませんが、エサの選択肢は購入する商品によって固定されるのでそれを好まない種類のネズミ駆除には向かない可能性があるというデメリットがあります。
後者は粉末の形状が多く、毒エサを自作することができます。
そのメリットは「エサを選べる」ことであり、過去にネズミに食べられた食べ物を毒エサの材料に選ぶことによってネズミに毒エサを食べさせられる確率を高められます。
作り方は以下のとおりです。
- 殺鼠剤とネズミのエサとなる食べ物、作業用のビニール手袋(またはゴム手袋)を用意する
- 手袋をはめて作業開始する(殺鼠剤による手荒れ防止およびエサに人間の臭いをつけないため)
- エサを細かく刻む
- ビニール袋にエサと殺鼠剤を適量、少量のごま油(誘引用)を入れて混ぜる
警戒心を解くために、上記の毒エサから殺鼠剤を抜いたもの(エサ+ごま油)を用意し、しばらくこれを食べさせてから毒エサを設置すると効果を発揮しやすいです。
自作の毒エサはエサを選ぶことによって効率よくネズミ駆除できる可能性があります。
ネズミ駆除は自力よりも業者に依頼したほうが確実

確実にネズミ駆除したいのであれば、殺鼠剤を使って自力で駆除するよりも「業者にネズミ駆除を依頼する」ほうが良いでしょう。
前述のとおり殺鼠剤を用いたネズミ駆除にはデメリットがあり、その他にも「確実にネズミ駆除できるとは限らない」「侵入防止の作業も必要になる」などのデメリットもあります。
一方でネズミ駆除を業者に依頼すれば以下のメリットがあります。
- ネズミ被害をしっかりと調査してくれる
- ネズミの習性や行動パターンを把握して作業してくれる
- 手間がかからない
- 死骸の処理をしなくて済む
- 再発防止も徹底している
- 保証などのアフターサービスが充実している
殺鼠剤を用いたネズミ駆除の大きなデメリット「死骸の処理」もやってくれるので、手間がかからないのが大きなメリットになります。
ネズミの習性を理解したうえでの作業になるので、素人が作業するよりも専門性が高く、効率よく確実にネズミを駆除してくれます。
ネズミ被害を放置すればさまざまな健康面・金銭面のリスクを抱えることになりますので、「家にネズミがいる!」とわかったら早めに駆除業者に相談することをおすすめします。
殺鼠剤を使っての自力のネズミ駆除よりも、業者に依頼したほうが確実性や手間の面でメリットがあります。
まとめ
殺鼠剤は効果の高さの一方で確実にネズミが食べてくれるとは限らず、死骸の処理などの手間もかかる駆除方法です。
ネズミ駆除業者に駆除を依頼すれば、ネズミ駆除にかかる手間を省略できるだけでなく、ネズミ駆除の確実性が高いというメリットもあります。
費用面が気になる人は多いでしょうが、ネズミを放置することのデメリットと自力でのネズミ駆除のデメリットを考慮すれば、決して高すぎる出費とは思わないのではないでしょうか。
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8万円~ |
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